右肩が激痛で夜も眠れないのですが…

肩の痛みでお困りの方からメールでお問い合わせをいただきました。

ご本人にはすでに返信させていただきましたが、同じようなお悩みをお持ちの方も多いので、解説を加えたうえで共有いたします。

夜間の右肩の痛みに鍼灸は有効なのか？

右肩の痛みについての質問

お世話になります。

この度は、右肩の痛みについて質問させていただきます。

ここ数日、右肩に激しい痛みを感じており、夜も痛みで眠れない状態が続いています。昼間もも腕を動かすのがつらく、着替えや身の回りの動作にも支障が出ています。特に夜は痛みが強くなり、起きてしまい、睡眠の質が著しく低下しています。

このような状況で、以下の点について教えていただけますと幸いです。

まず、このような症状の原因として考えられることをお聞かせください。四十肩や五十肩、または過度の肩への負担など、様々なことがあるかと思いますが、専門的にご意見をいただけますと助かります。

次に、痛みを和らげるために自宅でできることがあれば、アドバイスをいただきたいです。ストレッチやツボ療法など、安全に試せる方法があれば教えていただけますか。

最後に、鍼灸院での施術は、このような症状に効果があるのでしょうか。もし効果が期待できるのであれば、どのような治療が適しているのか、また治療の頻度や期間についてもお教えいただけますと幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、ご回答いただけますと大変ありがたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

院長：川瀬

多くの方が悩む五十肩について私が詳しくお話しします

五十肩は正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれる症状です。肩関節周辺の組織に炎症が起こり、痛みや可動域の制限が生じます。40代から50代に多く見られますが、年齢に関係なく発症することもあります。

肩の痛みは日常生活に大きな支障をきたします。服の着脱や身の回りの動作が困難になり、夜間は痛みで眠れないこともあります。寝返りを打つことすら辛く、睡眠の質が著しく低下してしまいます。

五十肩の明確な原因は分かっていません。しかし、加齢による組織の変化や、過度の肩への負担が関係していると考えられています。肩関節は人体で最も可動域が広い関節であり、それゆえ問題が生じやすい部位でもあります。

五十肩の治癒期間は個人差がありますが、一般的に3つの段階を経て回復に向かいます。それぞれの段階について詳しく見ていきます。

この段階は発症から約1～3ヶ月続きます。肩に強い痛みを感じ、日常生活の動作で痛みが生じます。夜間痛も特徴的で、睡眠に支障をきたすこともあります。この時期は安静にすることが基本です。冷えていると夜間痛が増強します。

夜間痛があるのは急性期ですが、この時期は安静と冷やさないことが大切です

初期に続いて、約1～6ヶ月間この段階が続きます。炎症は落ち着きますが、肩関節の可動域が制限されます。これは関節包の癒着によるものです。この時期は、無理のない範囲で徐々に運動を取り入れ、関節の硬直を防ぐことが重要です。

この時期に来て少しずつ肩の運動を始めていきます

最後の段階は、発症から約6ヶ月～1年続きます。痛みはほぼ治まり、日常生活での不便さも減少します。しかし、気づかないうちに肩の動きが制限されていることがあるため、注意が必要です。この時期は積極的に肩の運動を行いますが、無理をして症状が悪化しないよう気をつけましょう。

ちょっとした動きをすると急に痛みが出る場合があります

各段階に応じたセルフケアをまとめました。

セルフケア

【五十肩のセルフケア】こんにちは、今回は五十肩の各段階におけるセルフケアについてお話しします。五十肩は急性期、慢性期、回復期と進行していきますが、それぞれの段階で適切なケアを行うこ…

鍼灸治療は、肩の痛みに対して効果的な場合が多いです。血行を改善し、筋肉の緊張を緩和させる効果があります。

五十肩の完全な回復には通常6ヶ月から1年程度かかりますが、適切な治療とケアにより、症状の改善を早めることができます。各段階に応じた適切な対応を行うことで、より効果的な回復が期待できます。

五十肩は辛い症状ですが、適切な対処と治療で必ず良くなります。早めの対応が大切ですので、症状が気になる方は気軽にご相談ください。皆様の肩の痛みが少しでも和らぎ、快適な日常生活を送れることを願っています。

当院では部位ごとに症状別ページをまとめています。ぜひご覧になってみてください。

部位別症状別ページ

【肩】症状別ページ一覧肩に関する症状別ページの一覧です。お悩みの症状別ページをご覧ください。こちらに掲載されていない症状もお気軽にご相談ください。

肩こりに対する施術方針はこちらのページが参考になります。